視察研修テーマの概要「高校生以上対象」

 

A 風の学舎のエネルギー施設の見学(約30分)・・・9施設
  「風力発電機、太陽光発電パネル、太陽熱温水器、雨水利用施設、ヒートウォール、
  ウッドボイラー、薪ストーブ、竈、囲炉裏、炭焼施設」
 
B テーマ別環境講義
1.エネルギー自立型社会を築く(60分〜70分)

 
2013年秋から2014年春にかけて順次IPCC第5次評価報告書が公表されてきています。それによると温暖化による気候変動のリスクが相当高まっていおり、2050年までにはCO2排出量を40-70%削減しなければならないことや、世界が思い切った削減に向けた行動を起こすに躊躇している余裕はないとしています。また、原発は、災害列島の日本ではリスクが大き過ぎることが明らかとなりましたし、何を置いても発電後に出る放射性廃棄物の処理の見通しが全く立っていません。2013米国エネルギー省の報告においても明らかとなりましたが、原発の発電単価は太陽光発電に次ぐものとなり、風力、化石燃料などその他の発電単価より高く経済的合理性もないことが解りました。ヨーロッパなどでは、再生可能なエネルギーの利用拡大に官民挙げて取り組んでおり、日本も後れを取ってはなりません。しかし今日の大量なエネルギー消費を前提としては、2050年に再生可能エネルギーで自立できる社会を築くことはできません。我々のライフスタイルや経済構造をどうしなければならないのか。エネルギーと暮らしとの関わりや省エネ省資源型のライフスタイルやまちづくりの必要性につい学んでみましょう。

 (1)温暖化の状況、将来予測、影響
 (2)原発・・・崩れた3つの神話、世界から取り残される日本
 (3)資源エネルギー大量消費と私たちの暮らしを振り返る
 (4)自然エネルギーの利用推進と課題
 (5)エネルギー自立型社会を築く
  ・脱原発を推進する国々、世界各地の研究機関から発表される2050再生可能エネルギー100%計画
  その前提は、消費量を現在の約1/2に削減することで達成可能となるもの
 (6)省エネ・省資源型社会を築くためには「暮らし、経済構造、まちづくり」の見直しは不可欠」
   どのように見直していくのか、その方向について各地の事例に学
 
(7)学ぶ原点は自然とともに歩んできた和の暮らし、日本人の生き方にある。
 

                           
       他
 2.地球温暖化と私たちの暮らし

 IPCCの第5次の統合報告書が2014年11月に公表されました。報告書では、
 〇気候変動の要因は人間活動にあることは明白で有り、近年の温室効果ガスの排出量は史上最高となっている。
 〇極端な気候変化が観測されつつあり、気候変動による人間や生態系への影響が顕在化している。
 〇このまま推移すれば人類や生態系に深刻で広範囲に亘る不可逆的な影響が生じることが予測され、我々がその対策に躊躇している余裕はないとしている。
 温室効果ガスの多くが日本を含む先進国によって排出きたことから、私たちにも大きな責任があります。そこで、一人一人がこのことを理解し今後どのように取り組むか、風の学舎の活動を通して皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

(1)温暖化の現状、要因
(2)要因を日本社会の資源エネルギーの大量輸入・大量消費・大量廃棄の現状から学ぶ
(3)今後の温暖化とそのリスクの予測
(4)CO2排出量を削減するための
  ・まちづくり  ・社会経済活動  ・ライフスタイル
 の在り方を考える。
(5)避けられない温暖化に適応するための対策
(6)内外の取り組みから学ぶ
(7)内的発展に舵を切るとき。先人の知恵に学ぶ

 
3.風の学舎からのメッセージ「持続可能な地域社会を目指して」(60分〜70分)

 環境保全と地域活性化のヒントは地域資源の最大活用にある
 当NPOの活動から来館者に何を伝えたいのかパワーポイントにて説明
(1) 限界集落化している下伊那小規模町村の状況
(2) 行政に頼るだけでなく地域自らが地域資源の活用に取り組む必要性
(3) 地域の取り組みが我田引水でなく社会の課題の解決に資するようにすることで、都市部の人的物的資源を地域に呼び込み結果として地域の活性化につなげる
(4)  当NPO活動紹介と風の学舎からのメッセージ
  @エネルギーの地産地消
  A地域の材と工法で住宅建築
  B半農半Xのライフスタイルを広める


4.住の地産地建が環境を守り地域を甦らす(50分〜60分)

 今日のようなプラスチックとコンクリートの家づくりが温暖化に拍車をかけているばかりでなく健康や地域の活力を喪失させ、まちの景観や日本の精神文化まで破壊していることに人々は気づいていない。地域の材と技術で建てることの重要性について説明します。

 (1)木を使ってCO2を削減する
 (2)自然素材で造る住宅が健康を守り廃棄物を削減する
 (3)家と庭があってはじめてマイホームが手に入る
 (4)街や暮らしの無機質化(コンクリートやプラスチックの多用)が人々の精神を蝕む
 (5)地域の材と技術で住宅を造ることが雇用を確保し中山間地域を活性化させる
 (6)美しい家並み、まち並みが地域の矜持を保ち次世代を育てる
 (7)日本の木の文化の保持はイコール精神文化の保持。詰まるところ日本人の
 アイデンティティーの確保
                     他
5.木の文化とゴミの削減(50分〜60分)

 
 生活からあふれ出るゴミ。その殆どがビニールやプラスチックなどの石油化学製品。日本には石油をはじめとして化石資源は全くと言っていいほど無いにも拘わらず、これらのゴミが大量に排出され続けている。
 都市ゴミは焼却灰等の埋め立て地の確保が困難なことから地方の産廃処分場などに受け入れてもらっている所も多い。埋め立て処分場はたいてい里山を切り開き設置されている。
 ゴミから社会の矛盾、経済と環境、人間の限りなき欲望・・・が見える。
 どうすべきなのか、家づくりからゴミの削減と循環型社会を考える。
(1)廃棄物の現状と課題。逼迫予算の中で莫大な税金投入
(2)生活のプラスチック化が埋め立て処分場を逼迫化させる
(3)家も最終的に大きな廃棄物。不法投棄の8割は建設廃材
(4)どうすべきか。日本の歴史文化に学べ
(5)先進事例の紹介
(6)製品が自然に還ると云うことに価値のある時代。技術者も利用者も再認識せよ。


6.美しい郷土は家づくりから(60分〜70分)

  
大学生などへの調査で日本が世界に誇れないモノ「ワースト5」の調査結果を見ると「景観」が挙げられている。若人の感覚の中にはまだ、日本人の美意識が残っていると思うとホットしたりもする。
 欧州などの先進諸国の地方都市を巡ると我が国と同じ情報化社会、高速交通網社会で有りながら決定的に異なる点がある。町並みや地域の美しさだ。地域の文化を頑なに維持している。住民一人一人の眉間に誇りが刻まれている。
 昭和の初め頃までは日本こそ自然と暮らしのバランスの取れた世界の黄金郷だった。当時来日したアインシュタインは、日本が西欧の技術を取り入れても、日本の人々の優しさや町並の美しさなどを決して忘れないで欲しいということを述べている。
 それが、今日では日本の至る所が電線、看板、自販機、ゴミで溢れ、そして何よりもコンクリとプラスチックの無機質な町並みと化した。科学技術立国、経済大国を目指してきても結果としてこの町並みではどうしようもない。将来に何が残せるのか。日本の文化はどうなるのか。舵を切るときだ。
(1)町並みの現状と課題
(2)石油化学製品に依存する建物づくり
(3)何故景観行政は遅れているのか
(4)日本ではなせ景観が保たれないのか。規制がな何故困難なのか
(5)感性が経済効率という膠にまみれた日本人。政治家の口からこの町並みの貧困について語られたところを見聞きした人はいるだろうか。若人にはまだ残っているらしい日本人の血、DNA。
(6)良いモノ本物を見ることにより感覚、感性も磨かれる。谷崎潤一郎の箴言に学べ
(7)観光行政の担当者ほど良く学べ。感覚を磨け
(8)まちづくり・・・居眠り自治体と覚醒自治体の差
(9)各地の取り組み事例。どうすべきか


7.川はまちの文化のバロメーター(50分〜60分

 戦後日本が経済発展したのは、日本人の勤勉さによると云われる。半分は言い当ている。半分以上かも知れないがそれは、豊富な水資源による。日本のように暮らしから産業まで水(しかも軟水)が潤沢に利用できる国はない。しかも軟水だからこそ人が気軽に飲め、精密機械工業も発達できた。
 特に、川は暮らしはもちろん農業、水産業、伝統産業を支えるばかりでなく、その水辺は生物の生命を育む場所として、子供達の遊び場として、芸術文化を育てる場所としてなど、様々な面で自然の恵みを供与してきた。集落自治の発達も河川水の利用がその起源であり、暮らしの生命線である水の分配をどう効率的かつ公平に行うかその試行錯誤のなかで今日の仕組みが作られてきた。
 しかし、戦後の高度成長や経済市場主義の嵐の中で最も痛めつけられてきたのが川である。直線化やコンクリート三面貼りに象徴されている。
 そのような変化の中でも、全国各地のまちを訪ね歩くと、良い町、風情のある町には今なお美しい岸辺を擁する川が残っている。歴史や文化も深い。人々の魂さえ感じる。
 一方で、どんなに高いビルやネオン輝く街になったとしても、そのビルの日陰にコンクリート三面貼りのどぶ川がひっそりと閉じこめられ流れているところもある。立派な文化ホールがあっても文化度は低い街である。
 川と人々の暮らしや産業、水や川と生命活動の歴史などからまちを見るとその町の文化度がわかる。
(1)水の不思議
(2)貴重な水資源
(3)川と暮らし
(4)風情のある川無い川の事例紹介
(5)市街地の河川を見ればまちの文化度がわかる

「視察研修記録はこちらを参照

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